ドローンの「目」となる新国際ルール誕生――衝突回避の国際規格ISO 15964とは
無人航空機の安全運用を支える新たな国際規格「ISO 15964」が正式に発行されました。この規格は、経済産業省と新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が主導し、無人航空機の衝突回避システムに関する技術的な基準を定めたものです。これにより、ドローンの社会実装がさらに加速し、災害対応や物流など多様な分野での活用が期待されています。
ドローン活用の広がりと安全性への課題
近年、農業やインフラ点検などでのドローン利用が進む中、災害時の物資輸送や遭難者の捜索といった新たな用途も注目されています。しかし、ドクターヘリなどの有人航空機との接近事例が報告されるなど、安全性の確保が喫緊の課題となっています。特に、他の航空機との衝突リスクを低減するための技術開発が求められていました。
ISO 15964の概要と技術的特徴
新たに発行された「ISO 15964」は、無人航空機の衝突回避システムに関する国際規格であり、この規格では、以下の6つのステップに基づく衝突回避手順が示されています:
- 対象物の探知
- ターゲットの認識
- 回避機動
- 回避結果の確認
- 元ルートへの復帰
- 元ルートでの飛行
これらの手順に対応するハードウェアやソフトウェアの要件が詳細に定められており、レーダーや光学センサーの性能、探知・認識距離などが含まれます。これにより、開発者は統一された基準のもとで衝突回避システムを設計・実装することが可能となります。
日本の主導による国際標準化の取り組み
この規格の策定には、NEDOが2017年から推進してきた「ロボット・ドローンが活躍する省エネルギー社会の実現プロジェクト(DRESSプロジェクト)」の成果が活用されています。同プロジェクトでは、無人航空機の運航手順や衝突回避技術の研究開発が行われ、その成果がISO 21384-3:2023やISO/TR 23267といった既存の国際規格にも反映されてきました。今回のISO 15964も、これらの取り組みの延長線上に位置づけられます。
今後の展望と期待される効果
ISO 15964の発行により、無人航空機の衝突回避技術の開発が国際的に統一された方向性で進むことが期待されます。これにより、ドローンの安全性が向上し、災害対応や物流、農業など多様な分野での活用がさらに広がる可能性があります。また、日本が主導して策定したこの規格は、国内企業の国際競争力強化にも寄与すると考えられます。
終わりに
今回の規格制定は、日本がドローン分野で国際標準化をリードする大きな一歩となりました。
今後はこの規格を活用し、安全性の高いドローン運用が世界的に加速していくことが期待されます。
技術とルールが揃いはじめており、空の産業革命がより現実に近づきつつあるように思います。
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