奈良県の消防団で初!!ドローンを活用した情報収集部隊の創設について
こんにちは
当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
今回は奈良県の消防団がドローンを活用した情報収集部隊を創設されたニュースをご紹介したいと思います。
情報収集部隊の設立について
消防団員数は年々減少傾向にある一方で風水害などの災害が多発化するなか、消防団に求められる役割は多様化・複雑化しています。
消防団の機動力を活かすことができる情報収集部隊の設置に際し、ドローンを用いることで上空から災害情報をいち早く収集します。更にはすでに運用を開始している他県の常備消防団と連携することで、必要資機材の準備や災害対策を迅速にとり、災害の早期収束を目指すものです。
2021年12月末時点で全国で2,198消防団のうち40団体に60機が導入されておりますが、奈良県内の消防団では初めて実施されます。
同部隊発足の背景として消防団員数の減少があり、1990年では全国に100万人いた団員が2022年では約78万人まで減少しました。
奈良市では条例定数の1030人に対して949人と減少傾向にあります。消防団員の減少は地域防災力の低下につながる懸念があり、このような社会情勢に合わせられる消防団となるべく、新たな取り組みとしてドローンを用いた情報収集部隊が創設されました。
本事業は山間部や過疎地域等、消防隊の現場到着までに時間がかかる地域での活躍を想定しております。
その他にも消防団が新たな取り組みを行っていることをアピールすることで、団員の入団促進につなげる狙いもあります。
「奈良市消防団情報収集部隊」概要
部隊創設と同日の令和5年2月15日より運用を開始し、奈良市消防局総務課と奈良市東消防署との2か所にドローンを配置しております。
令和5年4月1日より出動範囲を奈良市内全域としながらも、他都市からの要請があれば状況により出動可能な状態です。
実施主体である奈良市消防団の出動事案としては、春日原生林等の火点確認が困難な立ち木火災や広範囲に及ぶ雑草火災、土砂災害における崩落個所の確認、河川氾濫などの被害状況確認といった、上空からの確認により効率的に災害情報が取得できる事案を想定されています。
部隊の構成としては、部隊長、副部隊長、及び2班10名体制で運用し1班につき4名のドローン操縦士が配置されています。この操縦士は無人航空機技能認定講習を受け、飛行に関する十分な知識や技能が備わっております。
市内2か所に配置されたドローンの機能として、GPS受信機能、障害物回避機能、映像撮影機能が搭載されています。
従来手法では災害状況は団員が現地で目視確認を行っていましたが、ドローンを使用することで二次災害を抑えれる点や、上空より広範囲での状況確認ができる点からもドローンは有意義であり、団員が本部へ必要な情報をスムーズに報告できるため、必要資機材の準備や出動体制などを適切に配置できます。
※災害時のドローンの飛行は航空法により特例が認められており、後日報告をすることで許可無しで飛行できる場合があります。
通常時の活動では定期訓練を実施し安全飛行を最優先とし、技術向上に努めておられます。
今後は自主防災防犯訓練等にも参加し、消防団と地域が一体となり地域の防災力を向上すべく活動されています。
関連リンク:https://www.city.nara.lg.jp/site/press-release/171408.html
終わりに
ドローンの機動力を消防団で活用できる場面が増えると、災害に対してスムーズな解決案を提供できるドローンの利便性が周知され、他業種でも利用される機会が今まで以上に拡散されるようになるでしょう。
警察や自衛隊でも活躍の場が増えたり、日常生活を送るうえで当たり前のように使われるドローンを無くしては成しえない状態かもしれませんね。
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