ACSLの国産ドローンSOTEN(蒼天)が進化!アップデートにより送電線や鉄塔付近での操作性向上
こんにちは
当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。
今回は株式会社ACSLが、小型空撮ドローン「SOTEN(蒼天)」を2024年2月7日付でアップデートし、送電線や鉄塔付近などの交流磁界が発生する場所での操作性を向上させた事をご紹介したいと思います。
蒼天とは
SOTENは、高性能・高セキュリティな小型ドローンの開発を目的とし、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)公募の「安全安心なドローン基盤技術開発」事業により完成したドローンです。
ISO15408(コンピュータセキュリティのための国際規格)に基づくセキュリティ対策を施し、データ漏洩や抜き取りの防止、機体の乗っ取りへの耐性を実現していることが特徴です。
機体の主要部品には国産品もしくは信頼性の高い海外からの調達品を採用し、通信の暗号化、国内クラウドでの取得データの保護などのセキュリティ強化を図っています。
最大対気速度15m/sと風に強く、災害時などの厳しい環境下でも安全に使用することができます。
また、日本において高精度な位置情報を把握することができるSLAS/SBAS(準天頂衛星システムみちびきのサブメータ級測位補強サービス)を搭載しており、災害での調査など正確な位置情報を把握する必要がある場面では、より安全に離着陸することを可能とします。
- 防災、点検、測量などの分野でドローンを活用しているが、飛行データ、撮影データ、通信等のセキュリティ面での不安から、国産のドローンに置き換えたい
- 屋外での活用を想定しているため、風に強く、防塵・防水性に優れた機体がよい
- ドローンを活用する場所が広域に渡るため、小型で拡張性の高い機体が良い
- 誰でも操作が可能なように、ユーザーインターフェイスが分かりやすいドローンがよい
このような課題を解決できるのが、ACSL製の小型空撮ドローンSOTENです。
国産のセキュアなドローンであることから、すでにインフラ点検、災害、測量などの分野で活用されています。
ACSLは、SOTENユーザーからのフィードバックをもとに、受注開始から複数回のファームウェアのアップデートすることで、機能や性能などの改善を行っております。
進化1:送電線や鉄塔付近での操作性が向上
送電線や鉄塔の点検は、熟練した作業員による高所での目視点検が主流となっており、点検にかかる労力や安全面の問題から、現在ではドローンの活用が主流になりつつあります。
しかし送電線や鉄塔付近では、電気の流れる方向が周期的に変化する交流磁界が発生することでドローンが正しい方角を認識できなくなり、機体を制御不能になる課題があります。そこでSOTENはこの課題を改善し、送電線や鉄塔付近での操作性が向上しました。
進化2:映像の伝送速度を段階的に向上
ドローンは、飛行中に撮影した映像をリアルタイムで伝送することができ、インフラ点検時にその場で点検個所を確認したり、災害時の被災状況を迅速に把握したりすることに活用されております。SOTENは、障害物や電波干渉がない場合には最大伝送距離は4kmというスペックを持ち、さらに今回のアップデートを含め、今後映像伝送速度を段階的に向上していくことで、より活用しやすいドローンを目指されております。
進化3:基地局アプリ「TAKEOFF」の多言語版開発
ACSLは、2023年11月13日付でSOTENの米国への輸出に関する経済産業省からの輸出許可証を受領、2023年12月に米国子会社であるACSL, Inc.が戦略的代理店パートナーシップに関するMOUを締結したGeneral Pacific, Inc.に50機を納品し、米国におけるSOTENの販売を開始しました。
今回のアップデートで、米国のユーザー向けに基地局アプリ「TAKEOFF」の米国版を開発し、海外展開をも積極的に進め、今後も各地域のユーザーが活用できるよう多言語版の開発を進めているとのことです。
スペック
サイズ | 411mmx488mm(展開時) 533mmx230mm(折りたたみ時) |
重量 | 2.8kg |
可搬重量 | 3.0kg |
飛行時間 | 45分 |
最高速度 | 時速45マイル |
飛行距離 | 10km |
IP定格 | IP54 |
プロップ直径 | 15.2" |
オートノミー | 4軸障害物検知 GPSウェイポイントミッションプランニング |
可視カメラ構成I | 解像度1280×720 ズーム: x20+ x2 デジタル,(合計 x40) 連続ズーム |
可視カメラ構成II | 解像度1920×1080 ズーム: x13+ x2 デジタル,(合計 x26) 連続ズーム |
サーマルカメラ | 解像度640×480 ズーム: x4 連続デジタル |
スタビライゼーションクリック | 2軸 |
ビデオ録画解像度 | 1080р |
追加機能 | ビデオ動体検知 追加ペイロード用拡張ポート |
最後に
現在ドローンの機体はDJI社が多くのシェアを占めており、日本の国産ドローンは厳しい状態の中にあります。
その状況の中でもACSL社は、国内のインフラ点検に使用しやすい国産のドローンを販売し、機能のアップデートに加え海外展開まで見据えた開発を手掛けております。今後国産ドローンのさらなる発展に期待したいですね。
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