DJI、新型物流ドローン「FLYCART 30」公開。物流の新時代を切り開くドローン登場

2023年8月18日 2023年8月18日

関西ドローンスクール

こんにちは
当ブログをご覧いただき誠にありがとうございます。

今回はDJI社がMatrice350RTKを発表したことについてお伝えいたします。
※ページ下部にあるお住まいの国／地域を選択の項目から中国大陆を選択すると閲覧できます。

1 FLYCART 30とは？
2 最大30kgの積載と16kmの飛行距離で効率的な輸送の需要に応える
3 20km安定した画像伝送飛行操作がよりスムーズに
4 デュアルレーダー、デュアルビジョン、パラシュート設計により安全な操作が保証される
5 スペック表
6 最後に
- - - 6.0.0.1 改正航空法が施行開始！ドローン操縦者が知っておくべき内容は？

FLYCART 30とは？

物流ドローンのフラッグシップであるDJI FLYCART 30（以下FC30とします）標準パッケージの価格は 125,000人民元(約250万円)で、このパッケージには、キャリアドローンホスト (リモコンを含む)、C8000スマート充電バトラー1台、DB2000スマートフライトバッテリー2個、および16A充電器ACケーブル2本が標準で付属しており、中国本土で発売されます。
※日本での発売は未定

FC30は 4軸8プロペラのマルチローター構成を採用しており、デュアル電気モードでの最大負荷は30kg、最大航続距離は16 kmになります。機械全体はIP55保護レベルを備え、-20℃ ～ 45℃の作業環境温度に適応でき、最大飛行高度は6000メートル、高性能な環境適応を備えておりさまざまな環境でも操作可能です。
FC30には製品をドローン下部に取り付けるカーゴボックスと、ドローンに紐で製品をぶら下げて配送する空クレーンの2つのロードモードがあり、カーゴボックスはクイックリリースと自動計量をサポートし、空クレーンはスイング除去と緊急ヒューズなどで機能をサポートし、ユーザーに柔軟で多様、安定性と信頼性の高い使用オプションを提供できます。

他にもデュアルバッテリーシステム、20kmのO3画像送信、多方向障害物回避、複数のバックアップポイント、デュアルコントロールに加え標準パラシュートまでをも備えたマシンサポートにより、安全な飛行が実現できます。DJI クラウドプラットフォームと輸送アプリケーション向けに特別に設計されたPilot2 APPを組み合わせることで、より効率的、経済的、安全なソフトウェアとハードウェアが統合されたドローン輸送をユーザーに提供できるでしょう。

最大30kgの積載と16kmの飛行距離で効率的な輸送の需要に応える

FC30はその膨大な積載量と長い航続距離で配達任務を遂行できます。
新デュアルバッテリーシステムを採用しており、デュアルバッテリーモードでの最大積載量は30kg、シングルバッテリーモードでの最大積載量は40kgになります。
最長航続距離は28キロメートルであり、デュアルバッテリーが搭載されている場合、飛行距離は最大 16キロメートルに達します。またカーボンファイバー製プロペラが標準装備されており、最大飛行速度は20m/sに及びます。
また低温および冷間作業条件の動作を満たすヒーター機能があり、低温環境でもバッテリーの性能が安定しています。

FC30は効率的な輸送を実現できる特別な設計が施されており、ドローン輸送能力を効果的に向上させ、山岳地帯、海岸ベース、地方の輸送およびさまざまな緊急シナリオの物資輸送ニーズを満たし、より多くの人々が無人輸送の恩恵を享受できるでしょう。

20km安定した画像伝送飛行操作がよりスムーズに

FC30本体にはDJI O3画像伝送機能が搭載されており、画像伝送距離は最大20キロメートルに達し、視覚範囲を超えた長距離輸送を遂行することができます。画像伝送信号が干渉を受けた場合、FC30はDJI強化画像伝送モジュールでネットワークに接続することで、4G強化画像伝送を実現しさまざまな動作環境で安定した鮮明な画像を取得でき、如何なる環境でも信号遮断による影響が薄く飛行がより安全になるとのことです。

他にもFC30はマシン1台のデュアルコントロールをサポートし、別々の場所にいるパイロットがドローンの制御権限を切り替えることで、連携して長距離輸送における信号の遮断と配送精度の問題を効果的に解決できます。

デュアルレーダー、デュアルビジョン、パラシュート設計により安全な操作が保証される

FC30は離陸から着陸までの全プロセスに安全保護対策を備えており、人、航空機、物体の安全を確保します。
このシステムは離陸前に要件、装備、飛行環境条件に基づいてアクセシビリティ評価を実施し、ユーザーが適切な飛行ルートを選択できるように支援し、ドローンの音と光によるプロンプトなどを通じて離陸前の安全を確保します。
ドローンには内蔵パラシュートが標準装備されており、電源投入自己検査、独立電源供給、パラシュート展開前のプロペラ停止と停電、音と光による警報、マルチモードトリガーなどの保証機能が充実しています。

カーゴボックスコンテナと空クレーンシステムの2つの積載モードは、さまざまな輸送シナリオに対応できより柔軟な解決策を提供します。
コンテナロードモードでは、最大容量70リットルの一般的なサイズのEPPコンテナが標準構成となっており、3分以内で素早く分解・組み立て・積み下ろし等が容易になります。カーゴボックスの内部で重量と重心の検出し、プロポの画面上に貨物が正しく積載されているかを確認出来ることからも飛行をより安定させることができます。

輸送場所が機器の離着陸に不都合な場合には、空クレーンシステムを選択して貨物を輸送できます。空クレーンシステムはケーブルドロップモードを備え、自動制御方式と手動制御方式の両方をサポートし、最大格納可能重量は40kg、最大リリース長は20メートル、最速格納可能速度は0.8m/sに達します。

FC30の独自な揺れ防止機能は、飛行姿勢を個別に調整し、貨物の揺れを効果的に排除し、貨物の安定性を大幅に確保できます。AR投影機能により商品の受け渡し場所を素早く選択でき、ボタン1つでロープを放してロープを下げ、商品が地面に着くと自動的にリリースされ、接触せずとも正確な受け渡しを実現します。

スペック表

最後に

今回ご紹介したFLYCART 30は、既存のDJIドローン製品とは毛色が異なり運搬特化型になっております。
小回りの利くドローンが最大40kgもの荷物の運搬を可能にし、紹介動画にもある山岳地帯に存在するソーラーパネルをも気軽に運べるのは驚愕の一言ですね。
日本での発売は未定ですが、山岳地帯や船上での運搬作業は日本において大きな需要が存在し、中国以外での展開が待ち遠しいところです。

また、FC 30の場合運搬を主としている以上、ドローンが飛行中に運んでいるものを降ろす物件投下を行う場合がありますが、物件投下を行う場合カテゴリーⅡ飛行になるため、国土交通大臣の承認が必要になります。
カテゴリー飛行につきましては過去の記事もご参照ください。