12条点検はドローンでお手軽に!ドローンによる外壁調査のメリット・デメリットを解説

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建築基準法第12条に基づく定期点検、いわゆる「12条点検」では、調査項目の中に外壁調査が含まれています。
これまで外壁調査といえば打診検査が主流でしたが、数年前より赤外線調査も正式な調査として国土交通省が認めており
ドローンを活用した赤外線調査の導入が増えつつあります。

今回はドローンを使った赤外線調査のメリット、デメリット、打診検査との比較をお伝えいたします。

ドローンによる外壁点検のメリット

ドローンで外壁点検を行う際の大きなメリットとして次の三点があります。

  1. 時間とコストに対し高効率な検査
    作業環境の構築にかかるコストを抑えることができ、点検作業を1日~数日で終えることができます。
    人手をあまり多く必要としない点もあり、外壁点検にかかる時間とコストを大きく削減することに繋がります。
  2. 人や建物への安全性
    作業者は高所や危険な場所に近づく必要がなく、ドローンの映像を通じて安全な場所で点検ができます。
    足場を組む必要やロープによる吊り上げ作業などが不要になり、作業者に負担がかからないメリットもあります。
  3. 安定した検査精度
    赤外線カメラを搭載したドローンは、外壁から発生した熱源を検知し、壁中に潜んでいる異常を視覚化することができます。
    撮影にはある程度の経験を積むことで作業者による技能格差が少なくなり、一定基準以上の検査結果が得られます。

これらに加えて作業した点検内容を画像で保存できる事から、特定の工事や修復の必要性を示すための資料として提示でき、作業前後の違いも示せることから、顧客満足度も自ずと高まります。
作業効果が目に見えて出てくるので、作業前後の比較が一目でわかるのは安心ですね。

可視光画像点検箇所
赤外線画像

ドローンによる外壁点検のデメリット

ドローンで外壁点検を行う際の大きなデメリットとして次の三点があります。

  1. 診断範囲限界の影響
    劣化部の大きさにもよりますが、5cm程度の浅い浮き劣化や水分滞留箇所は測定範囲に十分収まります。
    一方表面から深い位置にある異常個所の判断は難しく、打診であれば検知できるケースもあります。
  2. 天候による影響
    赤外線カメラは温度差を利用するため、晴天以外では検査結果に影響が出る場合があります。
    また強風が壁を冷やすことで解析結果に影響が出るだけでなく、安全にドローンを飛ばす環境ではなくなる点も注意が必要です。
  3. 飛行環境の影響
    建物の中や周囲に高電波を発する建物がある場合、ドローンの制御に影響が出る場合があります。
    また、ドローンを安全に飛行させるための距離が十分に取ることができない狭い空間ではドローンを使用することができません。

ドローンの使用上どうしてもドローンを飛ばせるだけのスペースがないと作業ができないのは難点ですね。
現時点では赤外線を搭載したドローンは大型のものが一般的で、壁とドローンとの安全な距離がどうしても広く必要となってしまいます。
また、赤外線カメラを効果的に使うための距離も必要になることから、壁から12m程度の距離が確保できないと検査は困難になります。

従来の打診検査とドローンを使った外壁点検の比較

比較項目赤外線検査打診検査
現地調査方法 赤外線サーモグラフィで
調査対象面の温度分布を測定・記録。
客観的な画像データと数値データを記録でき、
専用解析ソフトで赤外線画像を解析。
打診棒で調査対象面を打診。
打診時の反発音を作業者が聞き分け、判断したものを記録。
診断手法晴天時など適正環境下にて撮影を行い、
温度分布の異常を赤外線画像上から抽出。
分布パターンや温度値、形状の違いなどから
劣化状況を判別。
作業者の主観的判断で判定結果を記録。
経験による差が表れやすく複数人で検査した場合、
検査結果にばらつきが生じる場合がある。
検査精度劣化部の大きさによる影響
5cm角の検知率:10~35%
20cm角の検知率:70%

劣化部の厚みによる影響
劣化部厚みが0.1mm:0~5%
劣化部厚みが1mm:95~100%
劣化部の大きさによる影響
5cm角の検知率:0%
20cm角の検知率:60~95%

劣化部の厚みによる影響
劣化部厚みが0.1mm:50~80%
劣化部厚みが1mm:60~100%
作業効率少人数で効率よく検査可能であり、
現地作業費を抑えることができる。
現地作業に工数が必要であり、人件費や作業費が高額。
作業者による技量や経験により、判別精度が異なる。
結果解析解析技術を必要とし、解析結果の出力に工数を要する。打診結果をもとに作成し、報告書作成工数が少ない。
安全性建物に直接触れないことから建物への影響はなく、
離れた場所からの作業が可能なため、事故のリスクが少ない。
建物に対し損傷の懸念があり、足場やロープゴンドラでの
作業のため、落下事故などのリスクが生じる。

打診検査の特徴として、直接外壁を叩いた音を判断し、判定結果を逐一記録します。
作業用スペースの構築や撤収を必要とし、作業工数と人的要因のため時間とコストが高額になりがちになってしまい、
かつ作業者のスキルにより検査結果が一定ではない場合もあります。
その反面天気や検査場所に影響されず、赤外線では検出が難しい劣化箇所を発見しやすいメリットがあります。
※検査精度にはそれぞれ得手不得手がありますが、どちらも同水準と国土交通省が認定しております

最後に

ドローンを使用するメリットとしては、広範囲の検査を短期間で安全かつ安くできるところですね。
一方で、ドローンを飛ばすには一定の条件があり、極端に浅いまたは深い場所に存在する損傷には、検出しにくいところが課題となります。
点検を実施する際には適切な設備と技術、費用、天候状況などを考慮し、適切な選択を行うことが重要です。

弊社でもドローンでの外壁点検を承れますので、お気軽にご相談くださいませ。

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